Blue GiantはJAZZがメインテーマのサクセスストーリー系の漫画です。
JAZZと聞くと、ムーディーで大人な雰囲気、片手にウィスキーロック、片手に葉巻のイメージを持っていましたが、このBlue Giantにいい意味でぶち壊されました。
汗と涙と喧嘩、予定調和のないカオスな空間の中で一体となる音だけに人生をかけている激熱漫画「Blue Giant」。JAZZ好きな人はもちろん、知らない人もめちゃくちゃ楽しめる漫画です!映画も公開でこれから人気急上昇まちがいなし。おススメポイントを紹介します!
・異文化交流が好きな方
・何かに一生懸命が好きな方
・JAZZが好きな方
①不純物ゼロのJAZZにまっすぐなところ
主人公が夢に向かって何かに挑戦していく漫画はよくありますがここまで1つのテーマ一本で話が展開されていく漫画は珍しいと思います。
ラブロマンスが入ってきたり、挫折をしたり、何かが盗まれたり、実は父親がすごい人だったりそんな形でストーリーにドキドキハラハラがつきものですが、Blue Jiantは本当にコンテンツとしてはJAZZしかありません(笑)
このキャラクター嫌い!だったり、なんでそんなことするの!といったアクシデント的なことがほとんどなく、いい意味で日常生活感があります。だからこそ、スイスイと読むことができるのも魅力です。
本当に全部がJAZZなんです!
主人公の宮本大(通称D)も真っすぐすぎる人なので、だからこそストーリー自体も他に枝分かれしていくことなく芯が通っていてJAZZ純度100%って感じで読んでいて気持ちが良いです。
②セリフが全くないページから伝わる熱・音・緊張感がリアル
Blue Giantでは多くのライブシーンの描写があります。そこにセリフはほとんどなく、あるのはプレイヤー同士の汗やアイコンタクト、必死な表情と観客の一喜一憂する様子だけです。
でも、それだけでそのライブハウスでなっている音や熱量といったものを感じられている気になれるのがこの漫画のすごいところだと思います。
このステージに立つまでのそれぞれのキャラクターの努力や葛藤、それに協力してくれた人々のエピソードを思い返しながらライブシーンのページをめくっているともう涙です。
よく、宮本大はライブ前に「勝ちたい」という言葉を自分自身やメンバーに伝えます。Blue Giantを読むまではJAZZってリラックス系の音楽だと思っていたんですが、それだけじゃなくて闘いでもあるということを知りました。その場の空気間やメンバー同士の調子などに合わせて常に新しい音を紡ぎだしていく音楽ということを知りました。
だからこそ、セリフでそれらを限定的に表現していくのではなく、読者側にも想像させる余幅を設けることでJAZZの可能性を逆に表現しているのかなとも思います。
③異文化理解やダイバーシティーとしての側面
Blue Giantシリーズには様々な人種が登場します。
Blue Giant Supremeで宮本大が組むバンド「NUMBER FIVE」はベース「ハンナ(ドイツ)」/ピアノ「ブルーノ(ポーランド)」/「ドラム「ブルーノ(フランス)」と全員が違う国の出身です。
セリフの中でも実際に英語が使用されていたり、自分の国の歴史や文化なども紹介しあったりしておりそれも見ていて面白いポイントです。
あとはJAZZという長い歴史がある音楽だからこそ、変革を続けるNUMBER FIVEの状況をよく合わない人たちもいます。(そういった人たちにJAZZで勝つところも痛快です)
女性だから、アジア人だから、ポーランド人だから、そういった偏見に苦しみながらもJAZZで「勝つ」彼らの姿に感動する名場面が多くあります。
世の中まだまだ「こうあるべきだ」という意見はありますが、それらに対してJAZZの間口をこじ開けていく彼らの姿に感銘をうけます。
本当にお勧めできる漫画です。ぜひ読んでみてください!