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【人事・管理職必見】複業でコンビニバイトがダメな理由を説明できますか?

今までの日本の企業の働き方は複業を推奨しにくい構造でした。

その一番の理由が「長時間働くことが美徳」だったから。

新入社員は最後までオフィスにいないといけない空気、あの人は残業をたくさんしてえらい、残業をすることで給料が上がるなど、長く時間を費やすことが素晴らしいとされてきました。

日本は長時間漬け込んだり、熟成させたりして美味しいものが多いからそういった風潮が働き方にも影響してきたかもしれません。(多分それはない・・・とも言い切れない)

こういった時間を軸とした働き方が生んだ思考が『時給思考』であり、これが日本が複業を推奨しにくい原因として挙げられます。

本コラムでは時給思考に焦点を当てながら複業という新しい働き方について紐解いていきます。

目次

・複業とは何か
・時給思考とは何か~仕事の成果は時間ではなく、出した価値である~
・複業としてコンビニバイトがダメな理由
・複業ができる会社の方が結果的に良い会社になる?

複業とは何か

まず複業の定義について説明します。

複数の仕事を掛け持ちしながらもそれらにメイン・サブという序列がなく仕事をしている状態のこと。組織に所属する意識よりも個としてのパフォーマンスが重視される。

今まではあまり馴染みのない言葉でしたが2018年に成立した「働き方改革関連法案」を気に注目度が高まり、最近のコロナ禍の影響で働き方に対する意識が柔和化され、それらの追い風を受けて一般的な言葉にもなりつつあります。

似たような言葉で副業という言葉がありますがこちらは近い意味ながらも含んでいる意味は異なります。
副業の定義としては

メインになる本業があることが前提で、その収入を補填することを目的としたサブの仕事のこと

漢字の通り「副」なのでサブ業です。

働き方改革が注目された時期は「副業OK」といった打ち出しをする企業もありましたが最近は「複業」という言葉を対外的にアピールしている企業の方が多い印象です。

複業の方が自身のスキルアップや経験のためといった印象を持ちやすく前向きでいいですね。

時給思考とは何か~仕事の成果は時間ではなく、出した価値である~

サラリーマンの給与は安定しています。
月に〇〇万円というお金が口座に自動的に振り込まれてきます。

文字だけ見るとすごい話ですが、実際にすごい話でとてもサラリーマンは恵まれています。
ただ、これが日本社会における「時給思考」を増長させてきた原因です。

仮に月25万円の給与があった場合、1日8時間働いてそれが月20日あるとすると1時間あたり時給が1,562円となります。

働く時間が長いと給与が上がる、長い時間働いていた方が褒められる、といった環境にいると自分の1時間の価値は1,562円でそれが積み重なってお金という価値に換算されているという意識が自然と強まります。

それが時給思考です。

ただ、忘れてはいけないのは仕事の成果は時間ではなく、出した価値によるものです。

150万円の価値を生み出したいときに、100時間働く必要はなく1分働いただけでも価値さえあれば150万円を得てもいいのです。

前述でも述べましたが、複業はメイン・サブといった垣根がない(もしくは低い)状態で複数の仕事を同時進行で進めます。つまり仕事ごとに1日8時間働くという考え自体がなく、どれだけ価値のあるアウトプットが仕事ごとにできるのかが重要となります。そのため時給思考からの脱却がしやすく、且つその人自身の能力もあがる傾向があります。

複業としてコンビニバイトがダメな理由

コンビニバイトというと偏見があるかもしれませんが時給思考の王道の一つかと思います。

今日は〇時間働いたから〇〇〇〇円の給料が振り込まれると必ず自分ならレジに立ちながら考えます。そうすると本来の複業の価値である時間思考からの脱却が叶わず、それならば企業側としても複業NGにしたくなります。

確かにコンビニでの仕事を通して接客マナーなどのインプットはあるかもしれませんが、価値あるアウトプットという点が少し弱い気もします。

今後、複業OKを自社のリクルートページに掲載しようと考えている人事・管理職の方はなぜアルバイトは認めないのかをはっきりと説明できるようにしておきましょう。

複業ができる会社の方が結果的に良い会社になる?

複業ができる会社は基本的に時間思考の概念がなく、時間の拘束がありません。出勤時間や退勤時間はフレックスで個人の裁量に任されていたり、勤務中でもジムや美容院に行ったり、一度帰宅して家で仕事をするなど働き方も自由です。

なぜこういったことが可能なのかというと前述した「仕事の成果は時間ではなく、出した価値によるもの」という考え方が根付いているためです。

業種によってはこの考え方が難しい場合もありますが、時間思考から脱却し複業が一般化することでいい意味で自分たちの仕事を楽にする努力をします。

また、複数の業務の中で異なる人脈が形成されて多種多様なアウトプットを促進します。

今後、複業という働き方を検討し始める企業も多いかと思いますがその際にまず重要な点は自社が時間思考に縛られていないかを振り返り、思い当たる点があった場合はそこから改善し始めることかと思います。